2013.10.05
ふたりで人生。
少し上に見える黒い物体は、コンセントの内部ボックス。
たとえば、そのコンセントに対して棚がどの位置に付くのかを、
少しでもわかりやすいように打合せ前に書き記しておきます。
(※この柱は、壁内部に隠れてしまいます)
上の線は、床から85cmの高さに棚が付くことを示しています。
下と合せた2本の線で、棚板の厚みを表します。
これは、監督の仕業です。
もとい。
配慮です。
いつも助かってます。
その線を基準にしながら、高さや仕切り寸法を決めていきます。
ご主人と奥様と監督と私。
それぞれに意見を出し合いながら、納得がいく寸法を探し出します。
打合せ記録も、書いたり消したりしながらなので、
大工さんの消しゴムをちょっとお借りいたしました。
とにかくモレや間違いのないように。
ふと気が付くと、その横で二人の小さな兄弟が何やら楽しそう。
「きゅうぢゅっせんちぃ」
「はい、おっけー」
どうやら彼らも、打合せをしている模様。
「ん~ちがうなぁ」
「もいっかいはかる?」
小さな手には大き過ぎるメジャーだけど、
それを上手に操りながら、部屋中を採寸してまわっています。
「かいた?」
「ちょっとまってぇ」
-測る、メモを取る。
二人で測って、お兄ちゃんが数字を書き取る。
あわてず一行ずつきれいに書き込まれたメモは、
小林さん、ちょっと感動です。
私たちが部屋を移動すれば、彼らも必ずついて来て、そして。
-測る、メモを取る。
ありがとう。
終始、楽しい時間でしたよ。
その日の夕方。
「小林さん、消しゴム忘れていませんか?」
大工さんに借りたものなので、当然現場に置いて帰りました。
遊びながらでも、私が使っていたことをちゃんと見ていたのでしょう。
心配したお兄ちゃんが、メールをするようお母さんに頼んだのだとか。
理由は、「小林さんが仕事中に困ってはいけないから」。
小さな目はちゃんと見ていて、それを気にかけてくれたこと。
手に余っていたメジャーよりも、二人の心がとても大きく豊かなこと。
そしてそれは、大人になると時々忘れそうになる大切なことでした。
思い出させてくれてありがとう。
でもね、もうね、
歳をとると涙もろくなっちゃうんだからね。
一日の終りに届けてくれた優しい気持ち。
本当にありがとうね。
では、また。
こばやし。




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