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ボクサー時代の経験も
現在の仕事の大きな糧に

―今年(2019年)で創立30周年を迎えられたのこと、おめでとうございます。

富山:ありがとうございます。先代である父が立ち上げた建築会社ですが、僕は元々ボクサーを目指していたんです。大阪の建築専門学校に通いつつ、夜はジムに通っていました。そのうち学校を辞めて、現場監督などをして働きながら念願のプロボクサーになったのですが、体調を崩して断念せざるを得なくなってしまって。それで帰郷して、家業を手伝うようになりました。

―意外なプロフィールをお持ちなのですね。ボクサー時代の経験が、現在のお仕事に活かされているところはありますか?

富山:そうですね。ボクサーは勝つために何をすべきかを突き詰めますから、目的のための手段を考えること、つまりお客様の理想の家をつくるためにどんなことをしてあげられるか、というアプローチが自然にできるようになりました。あと、練習生の頃から培われた根性や負けん気も役立っていますね(笑)。

―それは大きな財産ですね。建築の道へ転身される際には、師匠と呼べる方との出会いが大きかったと聞きました。

富山:ええ、友人を通して知り合った建築会社の社長が、懐の大きい魅力的な方だったんです。その師匠に連れられてバリ島に行くようになり、アドバイスをもとにバリ家具の輸入をすることになりました。ショールームを設けて販売したところ、2000年代初頭のアジアン家具ブームもあって、予想を超える大繁盛。バリは、チークやバンキライなどの木材も安価でしたから、そうした建材の買付もするうちに素材の魅力に目覚めて、今ではすっかり“素材フェチ”です(笑)。子供の頃から父がつくる木の家を見て育っていますから、やはり環境にも身体にもやさしい自然素材に強く惹かれますね。

―これまでのお仕事や現場で、特に印象に残っていることは何でしょうか。

富山:10年近く前に、師匠に設計してもらって自宅を建てたんです。お客様の気持ちを自分事にすることで、より説得力のあるご提案ができると思って。1階はコンクリート造、2階は木造にするなど、当社の技術を活かした実験的なつくりの家です。住んでみると、いい面だけでなく不便な面もありましたが、それが反面教師となってその後の家づくりに反映できたり、お客様に的確なアドバイスができるようになったりしましたね。 ―様々な住宅を手がけてこられて、いま改めて思うことはありますか。

富山:家づくりは人生の一大プロジェクトですから、皆さんつい欲張りすぎて“欲しいもの病”にかかってしまいがちなのですが、住宅はあまり盛り込みすぎないほうがいい。年月とともに、ライフスタイルは変化していきますから。そういう変化を受け入れる包容力が大事で、画用紙にぎっしり書き込まずに余白をもたせておくといった感じでしょうか。打合せにじっくり時間をかけるのも、お客様が長い年月を過ごす場所だからこそ、未来図まできちんと描いていただきたいからなんです。

熟練職人の技術は
未来に残したい大切な財産

―住宅だけでなく、店舗のプロジェクトも多く手がけていらっしゃいますよね。

富山:はい。店舗はメニューや商品などのカラーに合わせて設計しますから、明確な方向性が立てやすいですね。最近では、設計士や大工に加え、様々なクリエイターと組んで仕事をすることが多いのですが、僕はチームがうまく機能するよう、プロデュースに力を入れています。メンバー同士の連携で思わぬ化学反応が起きて、予想以上の仕事ができたときが一番うれしいですね。最近のプロジェクトでは、高松にある「Goodman Cut Club」というブルックリンスタイルの理容室が、設計からグラフィックデザインまですべてが調和して、とてもいい空気感が漂う空間になったと思います。

―住宅のほうも、力を入れているプロジェクトがあるそうですね。

富山:まんのう町に、今夏完成予定のモデルハウスがあるのですが、ここは販売用ではなく、当社の技術の粋を尽くしたショールームとして皆様に見ていただこうと思っています。私たちの財産である熟練大工の仕事を、ひとりでも多くの方に知っていただきたいですし、彼らの技術を活かした家づくりが広まることで、未来の職人を育てていくことにもつなげていきたい。9寸角のケヤキの大黒柱や、方形(ほうぎょう)という四方に広がる屋根組が迫力の、和モダンの家です。信楽焼の浴槽を配した露天風呂もあって、庭も整備する予定です。

―それは楽しみですね。他に将来やってみたいことはありますか。

富山:僕の転機になったバリ島で、師匠が連れて行ってくれた「イバハウス」という渓谷の中の別荘に滞在した時の感動が忘れられません。インテリアデザイン界の巨匠・杉本貴志さんが手がけられた作品で、周りの自然と建物がしっくりと融合していて、イカットなど現地の手仕事を活かしたインテリアも素晴らしかった。いつか自分も、バリで別荘プロジェクトを立ち上げたいというのが夢です。もちろん、バリのヴィラをイメージした家づくりも大歓迎です。

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